Project Beginnings

コロナウィルス感染流行で、20204月以降、我々の日常が一転した。手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスを習慣化された日常、不要不急な外出、人との接触を避けることが義務化された。これまで無意識に人と密に集まり、会話、食事、イベント等の娯楽やコミュニケーションを楽しんできたが、規制がかかることにより、“社会的動物”としての生き方に新たなミッションが課せられ、人間関係、事物、環境との新たな関係性に、精神的、身体的変化、意識変化及び、感覚変化を享受せざるを得ない状況となった。リモート、オンラインツールを使用した新たな生活スタイルへの移行は、違和感を感じながらも不可能ではない現代社会の有益性と時代の変化をもたらした。視聴覚メディアをフル活用できる中、「匂いの記憶」のアート制作において、嗅覚感受の他者との共鳴・共有は更に難しい局面を迎えたが、この機会をポジティブに捉え、隔たりある空間、「家」の環境、個人の生活習慣、見えない感覚から、新たなコミュニケーションの構築、意識・感覚の共鳴について再考する機会としたい。今だからこそ気がつけること、自分の家の中にある見えない存在にフォーカスし、Stay at home「匂いの記憶」のアートプロジェクトを発足する。

 

2020年 4月末