Guest 末次真緒さん
「"withコロナ"でもわくわく生きるには?」
今まで日本の社会は急ぎすぎていたように思っています。コロナ禍になり大変な事も沢山あるけれど、立ち止まり考えてみる良い機会だと思います。
漢方では、陰陽の考え方があります。悪いこと(陰)はずっとは続かないし、良いこと(陽)もずっとは続きません。行きつ戻りつバランスを保っています。
今のように家に閉じこもったり、先が見えないと体も心も巡らなくなり、冷えたりコリが生じます。逆に動きだせば体が温まり、心も温まる。免疫も上がります。
では、どうすれば動きだせるのか?
運動するのはもちろん良いのですが、今回のWSのように香りを上手く使うのも一つの方法です。香りと記憶は密接に結びついていますので、心が伸びやかになります。また表現して人とコミュニケーションをとることでワクワクしエネルギーも湧きます。
感情を動かすには笑うこと。バカバカしくて笑ったりすることもおススメです。逆に泣くことも感情を解放してくれます。
無理せず、立ち止まって今の状態に気づきケアしていくと自ずとバランスが整っていきます。
*参加者に、コロナ禍の日常で良かったこと、悪かったことについて話して頂きました。
良かったこと(陽)/悪かったこと(陰)のにおい (8月27日)
コロナ禍で良いこと(陽)
・Zoomが役に立っている。パソコンツールを活用するのは、どちらかというと得意ではなかったけれど、この機会に挑戦的し、人と繋がれることはとても良いと思っています。漢方カウンセリングもオンラインでできる可能性が見えてきました。
・家にいることが多くなり、孫の顔が毎日みられる。
・オンラインツールZoomを積極的に活用して、遠方に住んでいる人ともつながることができる。今までもこのツールを利用できたはずが、活用していなかった。しかし、今は簡単に使用し、順応できることに気がついた。
・昨年まで体調が優れていなかったのですが、今年、このコロナ禍で仕事復帰。リモートで仕事を継続できたらいいなと思っていたところ、この時期にタイミングよく、オンラインが通常になり、復帰できて良かった。
・感染を拡大させないためにオンラインで「ダンスレッスン」を提供しています。
3分間ストレッチのYouTubeを開設して、主婦クラスは利用者が増えました。
オンラインでもニーズがあることを知り、今までもこれで良かったかもしれない。キッズには声がけをして参加を促しています。
・コロナ感染予防の自粛が始まった頃、体調を崩してしまい、体脂肪が増えてしまった。
しかし、外に出られないことで、自分にフォーカスできることは利点。ダイエットのため、筋トレを開始。体脂肪率が19%まで落ちて良い調子!
・自粛期間、コロナの影響で、日常生活に選択肢が増え、選べることが増えた気がします。DIYを始めて、食器棚をひば素材で作ったら、木の匂いがすごい。引き出しを開けるたびに香る驚き。
・家族と過ごす時間が増えた。共働きなので、毎日在宅になり、一緒に過ごせることはとても嬉しい。
・大学を卒業してからずっと外で働いているので、こんなに家にいることを肯定させるのは初めての経験。娘に「お母さんが家にいると嬉しい」と言われて幸せを感じました。
・学校の教員なので、忙しい日々を送っていたけれど、今はオンラインのおかげで、家にいて好きな時にトイレに行ける。健康診断に行ったら、数値がよくなっており、今まではすごいストレスの中で生きていたんだと実感しました。
コロナ禍で悪いこと(陰)
・通常、漢方カウンセリングを対面で行なっているが、それができなくなった。
・主催する教育プログラムの子供たちと実際に会えないことが辛い。リアルに会いたい。ズーム飲み会は、ストレスがかかる。
・教育関係の仕事で、学生に会えなくなったことが残念。しかし、リモートで授業を行い、今回のように匂いを送るという発想があったかと思い、できないことはないと知りました。
・アート系のNPOで子供対象にワークショップをやっているけれど、今年はできていない。
ダンスやパフォーマンスなどを劇場空間で、できないことも残念。
・人に会うのを躊躇してしまう。
・人と会わなくなり、対話しないから、口がなまる。あまりにも言葉を話さないと話し方を忘れてしまう。喋る時に咳払いしてしまう。今まで当たり前のようにできたダンスができないのが寂しい。
・家にいるのは好きだけど、強制されるのはきつい。
・親御さんのところに行けないのは寂しい。
・両親にあえない寂しさ。最近は会いに行っている。
・リモートでのコミュニケーションには抵抗がありません。引っ越しが多い家庭で育ったため、物理的な身体的距離は問題ではなく、人の心は距離を超えて強く結びついていると常に思っています。しかし、現在、この生活習慣になって半年。半年間だから我慢ができているのかもしれません。これが、後2年続くと言われたら正直厳しいと思います。ハイテクなものも好きなので、ドラエモンの世界観として捉えたら面白いと思い、様々なメディアも活用しています。今後の心配として、世の中の経済的状況が安定しないと、自分の収入が安定していたとしても、友人、知人など社会全体の経済安定が確保されなければ、精神的に大きな影響を及ぼし、精神不安から人間関係が悪化していくことを懸念しています。
2021年助成:公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
2020年助成:横浜市文化芸術支援プログラム、文化庁芸術家支援助成
2020,2021年 協力:白須未香氏プログラム:This workshop was partly supported by JST-Mirai Program (JPMJMI17DC, JPMJMI19D1)
KAKENHI grants from the Japan Society for the Promotion of Science (18K14651).
Home page image photo: 南俊輔