Continuing into the Future
2021年度プログラムに向けて
2021年1月、世界中のパンデミックは収束せず、日本は、過去最高の感染者数を出して新年を迎えました。ニューノーマルな生活の習得と、数年を見据えた経済復興、医療機関の崩壊も始まりました。社会的動物として人間は、これから真剣に地球との対話をしなければなりません。自然環境、人間と動物、人間同士。様々な関係性について、一人一人が責任を持った行動を問われる日々の幕開けでもあります。
「においの記憶」のアート制作において、空間を隔てた画面越しのオンライン・コミュニケーションは、他者との共鳴機会を遮断したと言われることもありましたが、実際には、私たちの脳を刺激し想像する大切な時間を獲得する機会になりました。また、今まで介入することができなかったプライベート空間「家」へのアクセスと個性創生に伴うバックグラウンドを開示し、より深い対話へと繋げることに成功しました。20年以上続けている「においと記憶」のプログラムで、新たなコミュニケーションの構築、意識・感覚共鳴の扉を開くことができました。
今だからこそ気がつけること、自分の家の中にある見えない存在、自分自身にフォーカスを照らし、私たち人間の精神・身体的変化を「匂いの記憶」から記録し、未来への軌跡を作って参ります。
2021年1月
2021年助成:公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
2020年助成:横浜市文化芸術支援プログラム、文化庁芸術家支援助成
2020,2021年 協力:白須未香氏プログラム:This workshop was partly supported by JST-Mirai Program (JPMJMI17DC, JPMJMI19D1)
KAKENHI grants from the Japan Society for the Promotion of Science (18K14651).
Home page image photo: 南俊輔